JR東日本アプリ
組織づくりからはじめる、
アプリづくり。
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JR東日本ならではの、
運行情報を用いて。
位置も、遅れも、リアルタイムで表示。
目的地までのルートを確認したり、友人との待ち合わせに向けて到着時刻を調べたり。そんな日々の移動に欠かせない情報を届け、お客さまを目的地まで案内するスマートフォンアプリ、それが「JR東日本アプリ」です。
JR東日本アプリが目指しているのは、移動をより便利に、シームレスなものにしていくこと。その最大の特徴は、JR東日本が持つ「リアルタイムの運行情報」を活用している点です。「乗換案内」の機能では、天候状態などによってどうしても発生してしまう遅延情報を加味し、その時点の最適経路を提案。また、走行している列車が今どこにいるか確認できる「運行情報」といった機能をはじめ、「駅情報」や「特急・新幹線の空席情報」など、実際に鉄道を運行しているJR東日本ならではの高精度な情報を提供しています。
リリース以降、訪日外国人を含む幅広いユーザーに利用していただき、2026年2月末時点での累計ダウンロード数は、1,400万件を突破しました。当然ながら、ダウンロード数はゴールではなく、あくまで通過点です。いつでも、どこでもシームレスな移動をサポートするために、JR東日本アプリは継続的なアップデートを重ね続けています。
外部の知見を借りて、
アプリの内製組織をつくる。
ユーザー視点を中心に、リニューアルが走り出す。
JR東日本アプリがリリースされたのは2014年。「列車まわり、ぜーんぶおまかせ。」というコンセプトを掲げ、電車利用におけるあらゆる情報を網羅したアプリとして誕生しました。目標ダウンロード数はわずか3日で達成し、順調に利用者数を伸ばしていったのですが、リリースから時間が経つとともに少しずつ課題も浮上。機能を追加すればUIが煩雑になるとともに、動作も重くなり、利用者からクレームをいただくことも増えていきました。しかし、課題を改善するには、アプリ開発をお願いしている外部企業への発注が必要となるため、課題の発見・修正・リリースへ進めるまでに、半年から1年ほどかかってしまう状況でした。
そうした課題を抱える中、ドイツ鉄道との技術交流会で出会ったのが「デザイン思考」という考え方でした。デザイン思考とは、企業が提供したいことを形にするのではなく、市場調査やアンケートなどをもとに、「ユーザーが本当に必要としているものをつくる」といったユーザーを中心にした設計のことです。利便性のために追加した機能が、かえってUXや動作を妨げてしまっていたJR東日本アプリ。足りなかったのは、まさにこのデザイン思考だったのです。そこで私たちは、デザイン思考を世界で実践するデザインコンサル会社に協業を依頼し、2017年に大型リニューアルプロジェクトが動き出しました。
デザイン思考と同時に、このリニューアルを進める上で大切だったのが「アジャイル開発」という考え方。アジャイル開発とは、アプリの開発・テスト・実装を、短期間でこまめに行う手法のことです。ユーザーの声を素早くプロダクトに反映させるためにはこの手法が欠かせませんが、外部に発注するとどうしても時間的なロスが発生してしまいます。そこでJR東日本は、アプリの内製化を決意。アジャイル開発のパイオニアとして知られる企業に、内製開発チームを発足するための技術育成を依頼しました。「プロダクトをつくるためには、開発チーム自体もつくらなければならない」という教えのもと、技術育成を担う企業のオフィスに常駐し、プロダクト開発を学んでいきました。そうして約6カ月後、今のアプリの原型となるプロトタイプが形になっていったのです。
見た目も、つくり方も、
思想もリニューアル。
他の鉄道事業者や、航空会社とともに。
プロトタイプのリリースを行い、そこから得られるお客さまの声を反映して、機能の見直しを行う。その試行錯誤を繰り返して、2019年4月、JR東日本アプリはついに全面リニューアルを迎えました。先述の通り、リニューアル前のアプリは、機能が増えていった結果「どこにどの機能があるのかわからない」「使い勝手が良くない」といった声もあがっていました。そのフィードバックをもとに、このリニューアルでは機能を大幅に削減。「リアルタイムな運行情報」を活かした「経路検索」と「運行情報」をメイン機能とする、シームレスな移動に特化したアプリとして生まれ変わりました。
また、従来のJR東日本アプリでは、JR東日本が管轄する路線のリアルタイムデータを提供していましたが、リニューアルを経た現在は、首都圏を中心とする他社の鉄道事業者や、JR西日本、その他にもバス事業者などと協力して、より広範囲のリアルタイムな経路検索・運行状況の情報を提供。また逆に、JR東日本の運行情報を他社に提供する取組みも行っています。さらに最近では、航空券の予約や地方交通との連携なども実施。自宅を出発し、飛行機に乗り、旅先でバス移動をする…。そんな、鉄道の乗車前後を含めた移動を、アプリ内で一貫して支える体制を構築しはじめています。JR東日本だけで完結させるのではなく、移動に携わる業界全体でデータを共有する。それでこそ、よりシームレスな移動体験を実現できるのだと私たちは考えています。
UIデザインも、機能のうち。
どれだけ優れた機能を開発しても、画面が複雑であったり、直感的に操作できないアプリでは、お客さまに受け入れていただけません。そのため、このリニューアルでは機能だけでなく、デザインに関しても抜本的な見直しを行いました。アプリを開くと、表示されるのは、行き先とGOボタンが並ぶシンプルな画面。経路案内の検索結果画面には、多くの乗換案内アプリで見られるような横型のデザインではなく、縦型にグラフィックが伸びるUIデザインを採用。これにより、各ルートの発着時刻に加え、乗り換え回数や所要時間、運賃などの情報を、一目でわかりやすく伝えるUXを実現することができたのです。これまでにないUIデザインだったため、当初は「使いにくい」という声も上がっていましたが、時間が経つにつれて「慣れると使いやすい」というポジティブな意見もいただけるように。また、UIデザインについて雑誌で取り上げていただき、それをきっかけに爆発的にダウンロード数・ユーザー数も増えていったのです。
乗換の迷いや駅構内での不安など、移動中のお困りごとは、情報の届け方を工夫することで解消でき、結果として移動時間の短縮にもつながります。一方で、例えば、電車の所要時間を1分短縮しようとすれば、多額の設備投資が必要になってしまいます。列車や駅舎を通じて物理的にアプローチするのではなく、アプリによって情報を届ける。JR東日本アプリは、駅の電光掲示板や案内表示を補うような、新たな情報インフラとしての役割も担っているのです。
何をつくるかより、なぜつくるか。
JR東日本アプリはその内製体制を活かして、現在もこまめなアップデートを重ねています。リニューアル前は年に1〜2回程度だったリリースも、現在は年間100回近くまで行えるように。そんなアップデートを行う上で大切にしているのが、「アウトカムベースの開発」です。これは、機能の実現を目的に開発するのではなく、お客さまの課題を先に見つけ、その解決策として機能を見定めていく考え方です。例えば、新たに追加した「定期券を考慮した経路検索」の機能は、ユーザーリサーチを通じて浮かび上がった「少しでも安いルートで移動したい」という学生からの声を起点に、その解決策として生まれました。アプリ内のフィードバック機能やSNSの声、お客さまへの直接のリサーチなど、さまざまな方法で課題を拾い上げながら、JR東日本アプリはこれからもユーザー視点の進化を続けていきます。
サービスを、
地域を、つなぐハブへ。
グループ全体へと広がる、アプリの開発文化。
デザイン思考とアジャイル開発、そしてそれを可能にする内製組織を軸に、ユーザーの声をかたちにし続けてきた積み重ねが評価され、アプリストアでも高い評価をいただけているほか、2024年にはアプリに関する賞を受賞することができました。その成果は社内の別組織にも伝わり、現在は別アプリにおいても、同様のアジャイル開発の体制を採用する方向で検討が進んでいます。また同時に、アジャイル開発を行う人材の育成にも取り組むなど、JR東日本アプリで培った開発文化は、JR東日本グループ全体へと広がろうとしています。
またサービスにおいても、「JRE ID」という統合IDが近年導入されたことから、ポイントサービスやえきねっとなど、これまで部門ごとに分散していたグループのサービス群をシームレスにつなげていく計画も。JR東日本の各サービスをつなぐハブとして、ユーザーが必要な情報・機能を適切に提供できる存在へとさらに進化していきます。また、費用やリソースの面からデジタルサービスの充実が難しい地方の交通事業者に対して、デジタルサービスの導入を支援するような取組みも構想中。多様なサービスや地域を横断し、それらを結びつけていく。「JR東日本アプリ」という名称ではありますが、目指すのは、東日本にとどまらない日本全土でのシームレスな移動を叶えることです。JR東日本アプリの歩みは、お客さまの声とともに、これからも続いていきます。
PROJECT STORY その他のプロジェクトストーリー
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ネットバンク。JRE BANK
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カーボンニュートラル。カーボンニュートラル