マルチエキューブ

駅から広がる、身近な物流拠点。

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「預ける」場所から、
「動かす」場所へ。

モノを動かすことで、人の移動を軽くする。

皆さんは「ロッカー」と聞いて、どんな場面を思い浮かべるでしょうか?キャリーケースを預けて観光地を身軽に散策する。会場に手荷物を預けてライブイベントを楽しむ。そんな、一時的な荷物の預入を想像する方が多いかもしれません。昨今では、荷物を預けるための従来型のロッカーから、配達専用のロッカーまで、その機能は徐々に多様化してきています。

そんな中、JR東日本が掲げる「駅の役割を「交通の拠点」から「くらしのプラットフォーム」へと転換させていく当社の取り組みのこと。駅を基点に、働く・買う・学ぶ・医療・物流など多様なサービスを展開しています。 」に紐付き、駅の利便性向上を目指す発想から生まれたのが、多機能ロッカー「マルチエキューブ」です。「預入機能と配達機能を一つのロッカーに集約できないか」、「空き情報をリアルタイムに提供できないか」、「Suicaとの連携ができたら便利なのではないか」。そんな社員たちの想いをすべて1台で実現しています。

駅という鉄道ネットワークを活かしたマルチエキューブの使い方は実にさまざま。例えば出張時、最寄り駅のマルチエキューブにキャリーケースを預ければ、そのまま宿泊先のホテルまで即日配送されるため、チェックイン時までストレスフリーに移動することができます。また、普段のネットショッピングにおいても、商品の受け取り場所をマルチエキューブに設定することで、不在配達の心配をせずに、帰り道にロッカーから商品を受け取ることも。マルチエキューブの目的は単なるモノの移動だけではなく、モノを動かすことでお客さまの移動をより自由でスムーズにすることにあります。2023年に本格運用を開始したマルチエキューブは現在、山手線の各駅をはじめとした首都圏エリアで順次拡大しており、他の鉄道会社エリアも含め、約200駅・600台以上を展開中。いつでも、どこでも、誰でも使える。そんな、モノと人の循環を活性化させるロッカーを目指して、今日も広がり続けているのです。

パートナーたちと挑む、
物流業界の課題。

物流の詰まりを、再流動させていく1台。

マルチエキューブの構想が始まったのは2020年。冒頭でも記した通り、元々は「Beyond Stations構想」に紐付く、駅の利便性向上の一環としてロッカー事業が始まりました。しかし、事業推進と並行して世間では「2024年4月からドライバーの時間外労働に上限規制が適用されたことで発生した人手不足・輸送力不足の課題のこと。残業時間削減により輸送可能量が減少し、荷物の遅延や運賃上昇が懸念されました 」という社会課題も大きく取り上げられるように。コロナ渦以降、配達量が増え続けるのに対して、再配達の削減や輸送力の確保が急務となり、物流業界には大きな転換が迫られていました。こうした難題に対し、「駅」という生活動線を持つ自分たちだからこそできる解決策があるのではないか。そんな想いから、ロッカーを“新たな物流拠点”へと進化させる挑戦が本格的に始まったのです。

理想を形にするためには、社内だけではなく、社外の力も欠かせません。そもそも多機能ロッカーを1からつくりあげるには、社内のノウハウやスキルだけでは足りず、まずはロッカー事業を行っている事業者様との提携をしていくところからスタートしました。マルチエキューブの目指す先はJR東日本エリア内だけではなく、日本全国、そして世界の物流インフラになること。そして、お客さまの快適な移動はもちろん、物流業界の抱える課題をも解決していくこと。こうした大局観を持った想いを各所へ丁寧に伝えながら、実現に向けて進んでいきました。

また、物流機能を持たせるためには、配送網を支える大手配送事業者様との提携も欠かせません。配達のリソースが逼迫している中、不在配達を防ぎ、確実に受け取っていただける場所を増やすという点において、マルチエキューブは配送事業者様にとっても価値のあるサービスとして協業へと至りました。さらには、ロッカーの筐体を手がける製造メーカーや、システム基盤を担う通信会社、設置を行う工事事業者など、各領域のプロフェッショナルが次々と集結。そうしたパートナーシップの積み重ねにより、2023年にマルチエキューブ事業を推進する「JR東日本スマートロジスティクス」が設立されました。新たな物流インフラへの挑戦として、大きな一歩目を踏み出したのです。

地域に寄り添いながら、広がるロッカー。

構想から会社設立に至った「JR東日本スマートロジスティクス」では、約100名の社員が在籍し、今日も事業の拡大に取り組んでいます。現在、約600台に拡大しているマルチエキューブは、今後1年かけて日本全国1000台の設置を目指しています。また、拡大にあたっては、約10万人の会員データを活用し、地域ごとのニーズに合わせて最適な形にカスタマイズしたロッカーを届けています。例えば、東京駅や渋谷駅のようなターミナル駅では、大きな荷物の預入や発送が多いため、ラージサイズのロッカーを多く配置。一方、住宅街の駅では、宅配商品の受取や発送の需要が高く、スモールサイズを中心に組み合わせたロッカーを用意しています。このような利用データを踏まえ、S・M・Lのロッカーサイズを柔軟に入れ替えながら、エリアごとに最適なマルチエキューブを展開しています。大切にしているのは、お客さまの行動から考える“マーケットイン”の思想。日々のくらしに寄り添いながら、今日も駅を中心にモノと人のスムーズな移動を支えています。

必要なものを、
必要なときに。

新鮮な地産物も、急ぎの医療品も。

マルチエキューブは、取扱商品の拡大にも力を入れています。東京駅や赤羽駅では、冷蔵機能を持ったロッカーを新設。これにより、「新幹線や在来線特急列車を活用した、速達性・定時性の高い物流サービス。新鮮な地産品を迅速に都市部へ届け、地域産業の活性化に貢献するほか、精密機械部品や医療用検体など幅広い用途にも活用しています。 」や「当社が提供するモバイルオーダーサービス。駅ナカのグルメやお弁当などをスマホやPCから事前に注文し、エキナカ店舗やロッカーで受け取ることができます。 」から届く、足の早い新鮮な地産商品なども受け取れるようになりました。また、上野駅では「駅という生活動線上で、対面とオンライン診療を組み合わせたハイブリッド型医療サービスのこと。通勤・通学の隙間時間に受診できるほか、医療格差の解消や医師の働き方改革といった社会課題の解決も目指しています。 」と連携し、薬をロッカーで受け取れる仕組みを導入。生活用品のみならず、医療品を届けるプラットフォームにも展開しつつあります。

1台の駅ロッカーから人々のくらしを支えていく挑戦は、決して簡単なことではありません。日々お客さまの声に耳を傾け、エリアや機能のアップデートを図っていく。それは機械による力ではなく、将来像を描き、考え、広げていく「人」の力です。これからも、さらなるプラットフォームビジネスとしての成長を目指し、次の時代のあたりまえを一緒につくっていける皆さんとの出会いを心待ちにしています。

JR東日本 新卒採用

その想いが、
始発になる。

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