スマートメンテナンス

精密かつ効率的に。
進化する未来のメンテナンス。

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屋外も屋内も、
ドローンでくまなく。

メンテナンスがさらに重要になる時代へ。

毎日の安全と安心を支えているメンテナンス業務。橋梁やトンネル、駅、線路などといった鉄道インフラは、まさに鉄道における生命線です。それらの健康状態を正確に把握するために、近年JR東日本グループではドローンの導入が進められています。人の目による点検に加え、自由自在に空中を飛行できるドローンの目によって、効果的な点検が可能となっているのです。

導入を進めている背景には、大きく2つの課題があります。ひとつ目は「将来的な人手不足」。近年、国内全体で生産年齢人口の減少が加速しており、鉄道業界もその例外ではありません。メンテナンス業務においても、限られた人員で安全性を担保できる効率的な点検が必要となっていきます。そして、ふたつ目の課題として挙げられるのが「設備の老朽化」。鉄道設備の中には、100年以上使われ続けている長寿の土木構造物も。今後、老朽化したインフラの安全を確保するためにも、より精度の高い点検と適切な修繕が欠かせません。また、近年の異常気象によりメンテナンスの重要性は一層高まっています。例えば、ゲリラ豪雨の増加に伴い、今後河川の増水や氾濫による鉄道設備への影響がさらに増えると考えられており、河川橋梁や周辺の鉄道設備の被害状況を、より早期かつ広範囲に渡って点検できる技術が求められています。こうした課題に対応するべく、ドローンをはじめとする新たなテクノロジーの活用が積極的に進められているのです。

精細に、安全に、効率的に。

ドローンを活用する最大のメリットは「視認性の向上」です。これまで人の目では見つけることが難しかった微細な異変も、近接して設備を確認できるドローンであれば正確に捉えることができます。例えば、川の上に架かる橋梁の点検。通常の点検では、作業員が双眼鏡を使い、錆びによる変色などを確認します。しかし、ドローンであれば飛行しながら橋へと接近し、細部まで撮影が可能となります。双眼鏡では発見が難しかった小さな異変の兆候を捉え、早期から修繕計画を立てることができるのです。さらに目視による点検では、作業員が安全帯を装着しながら橋を移動する場面もありリスクを伴いますが、ドローンの活用によってこうしたリスクを回避しつつ、より精密な点検を実現します。

また、人員コストの削減にも大きく貢献します。例えば橋梁の点検では、従来3名による体制でした。1名が列車の見張員を担当し、残る2名が検査や記録作業を行います。しかし、線路外からのドローンによる飛行点検を行えば、一部の点検で見張員が不要に。操縦担当と点検指示役の2名で作業を完了できます。さらに、ドローンの機動性により大幅な点検時間の削減も期待できます。鉄道インフラの点検はより安全に、効率的に、そして精度の高いものへとアップデートしていくのです。

狭い、暗いをものともしない点検。

これまで目視での点検が難しかった駅構内の天井裏においても、ドローンの導入を検討しています。近年、ゲリラ豪雨を始めとした気象の激甚化が見られる中、高架橋・駅構内から雨水の排水を担う設備に問題がないかを確認する必要性が高まっており、より精密な点検が求められるようになりました。しかし、駅の天井裏は人が立ち入ることのできない狭小空間。従来は天井パネルを外し、人が覗き込む方法で点検していましたが、それでは確認できる範囲に限界があります。そこで、大宮駅をはじめとする現場で導入が進められているのが、小型ドローン「IBIS2(アイビス2)」です。IBIS2は暗闇でも高精細な映像を記録できるほか、複雑に張り巡らされた配線の間を自在に飛行可能。さらに、障害物に接触しても姿勢を崩さない高度な制御機能を備えているため、人が立ち入れない場所でも安全かつ正確に点検を行うことができます。暗くて、狭い。そういった環境ほど、ドローンの強みは発揮されるのです。鉄道インフラの安全を支える頼もしい存在として、ドローンの点検範囲はこれからもますます広がっていきます。

多角的なテクノロジーで、
危険を読む。

データの収集から解析、そして機械学習へ。

ドローンが記録した映像や画像は、鉄道インフラの修繕計画にとって欠かせない貴重な情報となります。JR東日本では、デジタルソフトウェア「TRANCITY」を活用し、撮影データを点群データとして解析。このデータをもとに修繕箇所を3D化し、距離や高さを自動算出できるため、より精度の高い修繕計画を立てることが可能になりました。さらに、権限を持つ社員であれば誰でもデータを閲覧できるため、過去の事例を参考にしながら最適な判断を下せる仕組みも整えられています。

新たな技術開発も進行中です。例えば、新幹線の車窓にカメラを設置し、列車を走らせながら設備の状態を確認する技術。この技術が実用化されれば、従来の目視点検に比べて、より迅速かつ広範囲な点検が可能になります。また、メンテナンスへのAI活用も進んでいます。コンクリートの劣化パターンを機械学習させ、撮影した映像から設備の劣化箇所を自動で診断する技術の開発が進められており、これによって劣化が深刻になる前の段階で適切な修繕計画を立てることができます。こうした多角的なデジタル技術の融合によって、鉄道インフラの維持管理は次のステージへ。安全性と効率性を両立した、未来のメンテナンスが実現しつつあるのです。

知識と技術で、
さらなる安全を。

従来のノウハウと、新たな技術を掛け合わせて。

全社的なドローンの導入にはまだいくつかの課題が残っています。まずは、従来の点検レベルと同等の精度を確保できるかどうか。 鉄道インフラを守っていくためにも、まずは点検精度の担保が求められます。加えて、鉄道環境におけるドローン運用の社内ルール整備も進めなければなりません。鉄道施設やその周辺環境には、それぞれ異なる特有の条件があり、安全性を確保しながら運用方法を確立することが重要な課題となります。 各エリアの状況を踏まえ、適切なルールを固めていくことが、ドローン点検の本格導入に向けた大きなステップとなります。

もちろん、JR東日本グループが長年培ってきた設備の劣化パターンに関する知見や点検のノウハウは、今後も変わることなく活かされていきます。それに加えて、ドローンの活用により「これまで見えなかった部分」が可視化されるようになったことは、メンテナンスの在り方に確かな変化をもたらしています。重要なのは、従来の点検ノウハウと新たな技術を融合させ、安全性をさらに向上させていくこと。既存の枠に縛られずに、新しい技術の可能性を信じてトライし続ける。これから入社される皆さんも、臆することなく挑戦をしていただき、鉄道メンテナンスの未来を切り拓いていくことを期待しています。

撮影協力:日本リーテック(株)、CalTa(株)

JR東日本 新卒採用

その想いが、
始発になる。

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