
スマート健康ステーション®︎
社会課題に挑み続ける、
エキナカの診療所。
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駅なのに医療を。
駅だから医療を。
交通だけじゃない、これからの「駅」の役割。
沿線に暮らす人々、オフィスで働く人々、旅行を楽しむ人々など、毎日さまざまな人が行き交う駅という場所。そんな駅を利用する人々の生活がより豊かになるよう、私たちは「スマート健康ステーション※」という医療サービスを立ち上げました。
きっかけは、JR東日本が掲げる「Beyond Stations構想」。駅という場所に生活を支えるさまざまなサービスを取り入れることで、駅の役割を「交通の拠点」から「くらしのプラットフォーム」へと転換させていく取り組みです。当然、人々の生活に「医療」は欠かせません。駅で食事をしたり、買い物をしたりするように、診療を受けられる。そんな生活を、私たちはスマート健康ステーションを通じて提供しています。
※「スマート健康ステーション」はJR東日本の登録商標です。
エキナカに診療所があるだけで。
2022年、スマート健康ステーションの第一号は、日本初の「駅ホーム上」にある診療所として西国分寺駅に誕生しました。スマート健康ステーションの最大の特徴は、駅前でもなく、駅ビルでもなく、エキナカという「生活動線上」に診療所があること。利用者は改札を出たり、病院まで歩いたりすることなく、通勤中など移動の隙間時間に診療所へ立ち寄り、受診をすることができます。一般的に医療機関の患者さまは60代以上の方々が多いのに対し、西国分寺駅の診療所の利用者に多いのは20〜50代の働く方々。エキナカという生活動線上に診療所を設置することにより、「平日の日中に医療機関を受診したくてもできなかった方」などの、これまで隠れていたニーズに応えることができるのです。

リアル×オンラインという、新たな医療のかたち。
事業を始めるにあたり、エキナカでの診療にはひとつ課題がありました。それは駅という限られたスペースで、どのように診療を行うかということ。その突破口となったのは「オンライン診療」でした。スマート健康ステーションでは一般的な対面診療のみならず、診療所内に設置されたオンライン診療ブースを活用して、遠隔地の医師によるオンライン診療を実施。「ハイブリッド型総合クリニック」として、エキナカでありながらも複数の診療科目の受診を可能としています。難しい操作も必要ないので、スマートフォンなどの操作に慣れていない高齢の方でも気軽に受診していただくことができます。また、患者さまの状態をより精度高く把握することができるデジタル診断ツールの導入や、必要な場合は隣接して駐在する医師の対面診察と連携するなど、安心感のある医療サービスを提供しています。駅というリアルな場所を起点としながら、オンラインの特性を最大限に活用することで、空間の制約を超えた医療サービスを提供する。私たちが目指したのは、そんな新しいかたちのクリニックでした。
患者さま視点で、
便利を次々と。

積み重ねが、私たちの仕事。
西国分寺駅でのサービス開始を皮切りに、スマート健康ステーションは拡大を続けています。JR東日本の駅で三番目に利用者が多く、新幹線の発着駅でもある東京駅では、増加する外国人観光客のニーズを踏まえ、インバウンド対応型のスマート健康ステーションを開院。多言語対応の受付や、海外の旅行保険との連携などのサービスを提供しています。また、上野駅では、診療所に調剤薬局とドラッグストアを併設することで、診療から薬の受け取りまでがシームレスに行える環境を実現しました。その他にも、定期健康診断や、駅ロッカーを活用した薬の受取サービス、診療所間の連携によるカルテ情報の共有など、さまざまな取り組みに挑戦し続けています。
サービスの拡大を進める一方で、診療所の運営は医療法人などの外部パートナーにお願いしています。東京駅のサービスも、インバウンドのノウハウを持つ「東京ビジネスクリニック」との協業によって実現できたもの。では、JR東日本の役割とは何か。それは「どんな駅に、どんなサービスがあればくらしを豊かにできるのか」という視点で、患者さまの体験価値を設計・創造することです。その実現に向けて私たちは、医療パートナーとの関係構築や、ニーズの調査など、さまざまな取り組みを地道に進めています。一つひとつは決して派手な仕事ではないかもしれません。ですが、その積み重ねが確実に人々のくらしを便利に、豊かにしていくと、私たちは信じています。

社会を変える医療を
つくっていく。
医師にとっても便利なサービスでありたい。
人手不足が課題である医療現場において、スマート健康ステーションを活用すれば、医師の働き方改革にも貢献できます。オンラインで診療を行う場合、医師は必ずしも病院にいる必要はありません。自宅で働いたり、短時間で働いたりと、場所や時間に捉われない働き方が可能になるため、出産や子育てでキャリアを中断することなく医師として活躍し続けることができます。また、一部のスマート健康ステーションでは、JR東日本が運営する「JR東京総合病院」との連携を実施。症状の軽い患者さまや、薬の処方だけを希望する患者さまはスマート健康ステーションで診療し、より専門的な治療が必要な方は、JR東京総合病院へ紹介するなど、医療リソースの最適化にも取り組んでいます。
患者さまにとって便利であることも重要ですが、医師にとって便利なサービスでもありたい。そのために、私たちは、リアルとオンラインの融合によって、新しい医療のあり方を追求し続けていきます。くらしを豊かにしていくスマート健康ステーションの本当の目的は「社会課題の解決」なのです。

都市と地方をつなぐ存在として。
最近は、JR東日本のさまざまな駅からスマート健康ステーションを設置してほしいという声を頂くことが増えてきました。社外からの評価も高く、プレスリリースを見た病院から「社会課題に取り組む姿に共感した。ぜひ一緒にスマート健康ステーションをやりたい」という連絡をいただくことも。その連絡がきっかけとなり、2024年7月、スマート健康ステーションは仙台駅に進出しました。仙台に限らず、スマート健康ステーションは今後、日本各地への展開を構想しています。その理由は「都市と地方の医療格差」を解消するため。人口の少ない地域では、病院や医師の数も少ないのが実情です。専門性の高い診療科目の場合、そもそもその町では診療が受けられないということも。オンライン診療を活用すれば、住んでいる地域に制限されることなく専門性の高い診察も受けられるため、医療格差の解消につながっていくのです。
一方で地方に事業を展開していく際には、既存のクリニックから「患者が減ってしまうのでは…」と不安の声が上がることもあります。そんな時に大切なのは「社会課題の解決」という私たちのビジョンについて、一つひとつ丁寧に対話し、伝えていくこと。各地のくらしを支えるJR東日本だからこそ、その土地ならではの「医療」が抱える課題も解消していきたい。そんな想いをもとに、私たちはパートナーを増やし、より豊かな生活を追求しています。
「治す」の手前にも、
できることがある。
挑み続けるために、つくり続ける。
心豊かなくらしの実現と、社会課題の解決に向けて、私たちはクリニック・診療所だけにこだわることなく、さまざまな医療サービスを提供していきます。TAKANAWA GATEWAY CITYでは、東京大学やパートナー企業と連携し、そこで働く人々の健康管理をサポートするヘルスケアサービスを検討中。最先端の医療をはじめとし、未病や予防などの領域にも取り組んでいきます。私たちの道のりにゴールはありません。医療が抱える社会課題に、あらゆる可能性から挑んでいく私たちの活動に、興味を持ってくれる方との出会いを楽しみにしています。