ALFA-X

鉄道に関わる技術者の、
夢とともに駆け抜ける。

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未来の鉄道技術を生み出す、
試験プラットフォーム。

次世代新幹線の開発に向けた走行試験。

新幹線の最北端は北海道の「新函館北斗駅」。それが将来、さらに北上し札幌まで延伸することになりました。この長い旅路を、より快適なひとときにできないだろうか。そんな想いを抱き、次世代新幹線プロジェクト「ALFA-X」は始動しました。本プロジェクトでは「安全・高速な移動手段に加えて、新たな価値の提供」を目標に掲げ、開発を進めています。ALFA-Xは、今後生まれゆく新幹線に反映される、次世代の技術を開発するための試験車両。つまり新幹線の「試験プラットフォーム」なのです。

早く、安全に止めるために。

速く走るために譲れないこと。

360km/hの速度域でさまざまな要素技術の開発や現象解明を使命とするALFA-Xにとって何より大切なことは、早く安全に止まれるということです。従来のブレーキシステムのたゆまない改良を進めるとともに、ALFA-Xでは高速走行中に地震が発生した際、ブレーキ力を補い停止距離を短くする技術や、車両の揺れを抑えて脱線しづらくする技術の開発を行いました。

空気抵抗を味方につける。

高速走行する新幹線にとって空気抵抗は可能な限り抑えたいもの。その空気抵抗を、制動距離とは、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離のこと。ブレーキ性能を評価する際に目安として用いられます。 を縮めることに活用しようと開発したのが「空力抵抗板ユニット」です。過去に開発した空気抵抗増加装置では空気抵抗板の面積が大きく、収納スペースとして座席一列分が犠牲になる構造だったところを、ALFA-Xでは小型分散し、屋根内へ収納できるサイズにすることで、客室を圧迫しない構造としました。空気抵抗がパラシュートのようにブレーキ代わりとなるため、高速域であるほど減速効果は高まります。

磁力を活用したユニークな減速方法。

制動距離を縮めるもうひとつの要素技術が「リニア式減速度増加装置」です。これは磁力で減速力を得る新たな方法で、電磁力を発する装置をレールに近づけ、列車とレールの間で吸引力を発生させ、ブレーキ力を補う技術です。ALFA-Xに搭載された「リニア式減速度増加装置」は、減速によって得られるエネルギーを電力に変換し、その電力を使って電磁的な力を発生させることから、地震などで停電した時も無給電で動作できるというのが大きな特徴です。

その他、地震時に通常より強い減衰力を発揮し脱線しにくくさせるための地震対策左右動ダンパ、台車枠や軸受などを振動センサや温度センサで常時モニタリングするシステムなど、安全、安定輸送の更なるレベルアップを目指す、さまざまな技術を取り入れています。

更に静かに、快適に。

新幹線は騒音との戦い。

300km/hを超える速度で走行する新幹線には、早く止まることの他にも、さまざまな技術的な課題があります。そのひとつが「騒音」。鉄道車両は速ければ速いほど空力音とは、空気の流れによって発生する音のこと。高速走行時の風切り音や渦による振動音などが含まれます。 を発し、新幹線特有の課題としてはトンネルの出口から放出される「トンネル微気圧波」が挙げられます。列車がトンネルに入った際に発生した圧力が出口側へ押し寄せられ、破裂音のような音を発する現象です。これを改善するためのアプローチのひとつが、先頭長を長く、鋭くすること。水泳の飛込競技で、指、手、腕、頭が一直線となり滑らかに入水した時、水飛沫が少なくなることに似ているかもしれません。その一方で先頭長を長くするとその分の客室スペースが減ってしまいます。ALFA-Xでは、「はやぶさ(E5系)」の先頭長15mに対し、よりトンネル微気圧波対策を重視した先頭長22mの車両と、客室空間の確保を重視した先頭長16mの車両を製作しました。

他にも騒音を発する要因として、架線と機械の装置などを滑らせながら動かすこと。擦らせる接地面を滑らかにすることで、より効率的な運動や摩耗の軽減に寄与します。 し電気エネルギーを車両に供給する「パンタグラフ」があります。これまでも古くは菱形アームだったものを空気が触れる面積が小さい「く」の字型のシングルアームとしたり、機構部分を覆うカバーの形状を見直し空力音を低減するなど、さまざまな進化をさせてきました。ALFA-Xでは更なる低騒音を目指し、ヒンジやカバーといった部品の形状と配置を変えながら、さまざまなパンタグラフを試作しました。その他、車両と車両の間をほぼ全周に渡り車両連結部分に設けたゴム製の防水布のことで、車内を移動するお客さまの連結部分への転落事故を未然に防ぐためのものです。 で覆ったり、吸音素材を騒音減となるパンタグラフや台車周りに設置するなど、高速走行と静音の両立を目的とした、いくつもの仕掛けを施しています。

「静か」で「揺れない」上質な車内空間へ。

自転車、自動車、ジェットコースターなどの乗り物がカーブする際、人の体には遠心力が働きます。この遠心力を緩和するための開発も、ALFA-Xでは進行しています。元々曲線区間の線路は遠心力を軽減するため傾斜しており、レールの外側と内側には比べて最大200mm以上の高低差があります。この高低差は、新幹線が開発された当時のものです。しかし新幹線が進化し高速化していく中で、レールの傾斜だけでは補いきれない遠心力が働くようになりました。そのため車両そのものを傾かせようというのが「車体傾斜制御装置」であり、車両が曲がるタイミングで起動し、遠心力を打ち消すことができます。「はやぶさ(E5系)」や「こまち(E6系)」では最大1.5度の傾きだったところを、360km/hで走行するALFA-Xでは最大2度へと設定。この0.5度の差が、乗り心地を大きく向上させました。

その他にも更に性能を高めた「動揺防止制御装置」、E5系やE6系には無かった「上下制振装置」といった揺れを打ち消す装置の搭載や、遮音性や吸音性の高い車体構造とすることで、「静か」で「揺れない」上質な車内空間を目指しています。

データをメンテナンスに
活かす。

メンテナンスを革新し、更なる安全・安定輸送を実現する。

安全を司るメンテナンスにも変革が起きようとしています。ALFA-Xでは地上設備や車両の各機器をモニタリングする装置を搭載し、設備や車両の状態に応じたメンテナンス(CBM:Condition Based Maintenance)の適用や検査の省力化を目指したデータの蓄積を行っています。将来的にはALFA-Xで収集したデータをメンテナンス基地などに送る仕組みを構築することで、地上設備や車両の各機器の状態を遠隔でモニタリングでき、異常に対するより迅速な対応も期待できます。

札幌延伸に向けた、
雪国仕様。

雪の中を駆け抜けるための工夫。

札幌延伸を見据えて開発を進めているALFA-X。函館と札幌の間ではマイナス30度まで気温が低下する地域もあるため、配管のパッキンや油圧で動く部品の多くの温度仕様はマイナス30度としています。

他にも積雪地を走行する際、車両の床下、特に台車周りの着雪を防ぐため、形状を変えたりヒーターを内蔵させることで着雪の抑制や雪を溶かす対策を検証するなど、雪国ならではのトラブルに対して、さまざまなアイデアを試しています。

人のエネルギーから
生まれる未来。

鉄道の変革が、くらしを変えていく。

現状を変化させるため、試行錯誤を繰り返す研究開発分野では、一人ひとりに力強いエネルギーが必要です。ALFA-Xでは「JR東日本研究開発センター」が中核となっている一方で、JR東日本のさまざまな部署が参画しています。車両や設備の開発は主に技術系の社員が担当するほか、駅社員、乗務員、指令員や生活サービス事業部門、財務部門などのあらゆる職種の社員が担当しています。私たちがつくり出す変化は、鉄道のみならず、社会やお客さま一人ひとりの生活をより良い方向へ変革できる力があるはず。鉄道とくらしの未来をともに考えることのできる、可能性に満ちた学生の皆さんをお待ちしています。

JR東日本 新卒採用

その想いが、
始発になる。

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INTERNSHIP